EC2スポットインスタンス:AWSでのコストとパフォーマンスの最適化
こんにちは。技術部のMです。
今日はAmazon EC2スポットインスタンスについて紹介をさせていただきます。
Amazon EC2スポットインスタンスとは?
AWSでは通常、EC2インスタンスを起動する際は、特段の指定が無ければ「オンデマンドインスタンス」として起動します。この場合、起動した時間単位で料金が発生し、原則、勝手にインスタンスが止められる事もありません。
ただ、「GPU搭載インスタンスのレンダリング作業で短時間だけ安価に利用したい」「検証作業の為、インスタンスの断続的な停止があっても問題無い」といった用途であれば、「スポットインスタンス」を利用する選択肢があります。
スポットインスタンスの使用方法
- AWSマネジメントコンソールにアクセスします。
- EC2を選択し、Spot Requestsに移動します。
- スポットリクエストを作成する際に以下を設定します:
- インスタンスタイプ(Instance Type)
- リージョン(Region)
- 支払可能な最大価格
- AWSは市場価格が設定した最大価格以下の場合にスポットインスタンスを自動的に割り当てます。
スポットインスタンスを利用するメリット
- コスト削減: オンデマンドインスタンスと比較して大幅にコストを削減。
- パフォーマンス向上: AWSの未使用キャパシティを低コストで活用。
スポットインスタンスの実用例
- テストと開発: テスト環境やサンドボックス環境に最適。
- ビッグデータ処理: 分散処理フレームワーク(Hadoop等)を低コストタスクで実行。
- 高性能コンピューティング(HPC): 科学的シミュレーションや技術分析の最適化。
- グラフィックレンダリング: グラフィックやビデオレンダリングを迅速かつ低コストで処理。
スポットインスタンスを使用する際の注意点
- 中断: スポットインスタンスは、市場価格が設定価格を超えると中断、つまりインスタンスが停止される可能性があります。その為、アプリケーションがこの中断を処理できるように設計する必要があります。 スポットフリートを使用してリスクを最小化する事も可能です。
- 価格チェック: スポットインスタンスの価格は時間とともに変動するため、定期的に確認してコストを最適化する必要があります。
スポットインスタンス・オンデマンドインスタンスの比較
特徴 | スポットインスタンス | オンデマンドインスタンス |
---|---|---|
コスト | 非常に低い(最大90%節約可能) | 一般的 |
中断 | 停止される可能性あり | 原則停止されない |
用途 | 柔軟なタスク、非連続的な処理 | 安定したタスク、連続的な処理 |
まとめ
Amazon EC2スポットインスタンスは、未使用のEC2コンピューティングキャパシティを最大90%安価に利用できる仕組みです。これにより、スポットインスタンスは変動するワークロードや非連続的なタスクに最適な選択肢となります。
また、逆に安定した稼働や長期稼働を想定している際は、スポットインスタンス以外にもリザーブドインスタンスという仕組みもあるので、その活用も検討出来ると思います。
スポットインスタンスは、AWSでのコスト削減とリソース最適化を可能にする強力なツールです。ただし、そのメリットを最大限に活用するには、動作の仕組みを理解し、適切な使用戦略を構築する必要があります。今すぐスポットインスタンスを試して、最適な価格でAWSの力を活用しましょう!