【ネットアシストニュースレター | Vol.18 】
続く円安相場。AWSのコストについて考えよう!
2022年1月には1ドル/115円だった為替レートですが、米国の利上げの影響で円安が進み、10月現在では1ドル/146円まで円安が進行しています。年初からの上昇率で言うと約27%となり、1998年8月以来約24年ぶりのドル高/円安水準を更新しました。今後も長期的に円安基調が継続するとの観測もあるなかで、聞こえてくるのは「為替の影響を受けるクラウドってこわいよね」というお声。
しかし、忘れてはいけないのは、「クラウドだからこそ柔軟にコストの調整が出来る」という視点です。そこで、今回ご紹介したいのは、弊社でもお取り扱い実績の多いAWSサーバーの「コストカット術」!基本的な考え方から、2022年9月16日に行われたAWSジャパンの「クラウドサービスにおけるコスト最適化の手法についての説明」の内容を交えながらご紹介いたします!
コストの現状を確認しよう
請求ダッシュボード
何事もまずは現状把握が重要です。確認の方法としてまず活用したいのが、「請求ダッシュボード」です。アカウント毎にコストを管理できる基本機能ですが、使用料金の全般表示を取得できるだけでなく、最もコストの高いサービスまたはリージョンを特定したり、過去数か月間の使用料金の傾向を表示したりするために使用することもできます。
コストが多くかかっているサービスについて、有効なアクションを模索していきましょう。
AWS Trusted Advisor
次にご紹介したいのが、AWSジャパンからの説明で取り上げられていた、セルフ診断ツール「AWS Trusted Advisor」です。「コスト最適化」のメニューでは、14個のチェック項目を基に、利用しているサービスの状況を確認し、コスト削減のためのアドバイスをおこなってくれる、頼もしすぎるサービスです。
ただし、利用するまでの敷居が高めなのが悩みどころ。14個のチェック項目をフルで診断してもらうには、「AWSビジネスサポートプラン」または「AWSエンタープライズサポートプラン」という、AWSの専門チームのサポートを受けられる有償サービスへの加入が必要です。プラン内容によって、月額利用料の3%~10%程度の費用が掛かります。ご利用は計画的に!
実はまだある有償だけど頼れるコスト管理ツール
AWS Cost Explorer
一言で言えば、「コストの予測機能」です。将来的なコストを計測してくれるので、コスト削減に向けた対策が打ちやすくなります。また、フィルタリング機能を使うことで、視点を変えたコスト分析もできます。
AWS Budget
一言で言えば、「予算版監視ツール」です。カスタマイズした予算項目に、閾値を設定して頂き、その閾値を超えた場合にはアラートを発報してお知らせしてくれる頼れるツールです。
コスト削減を考えよう
リザーブドインスタンス
コスト削減を考えたときに、真っ先に思い浮かぶ方も多いのがこのリザーブドインスタンスではないでしょうか。既にご存じの方も多いと思いますが、特定のEC2インスタンスを1年間連続して使用することや、3年間固定して使うことがわかっている場合には、リザーブドインスタンスを購入することで、割引を得られます。いわゆる長期割引のような制度です。平均割引率はスタンダードクラスでは1年間で40%、3年間で60%となっており、全額前払い、一部前払い、前払いなしという選択を選ぶことで、さらに割引率が変化します。
デメリットとしては、長期使用を前提とした割引なので途中でやめることができません。また、AWSの場合はインスタンスの世代が新しくなる方がコストが低くなるので、m4→m5といった同一タイプでも新しい世代への変更もできません。どうしてもインスタンスを変更したいといった場合でも、複数の条件があり選択肢が限定的なので、基本方針としては、「安定して運用できるスペック」で、かつ「長期的に変更する予定の無いインスタンス」にリザーブドインスタンスを適用させることになるでしょう。
Savings Plans(セービングプラン)
2019年よりスタートしているサービスで、リザーブドインスタンスが、ほぼ固定のインスタンス属性を長期間(1年または3年)使用することで割引を得るのに対し、Savings Plansの場合は、1時間当たりの利用金額と期間(1年または3年)をコミットすることで割引を得られます。
例えば、「1時間あたり 0.124 USD のオンデマンド料金を相殺できるチケット」を 1枚あたり 0.047 USD で購入でき、62%割安になる、という考え方です。10,000円分お買い物ができる地域振興券を5,000円で購入できて、10,000円分まではお得に買い物できるというイメージです。コミットした1時間当たりの金額を上回る利用が発生した場合は、超過した分については通常のオンデマンド料金が適用されます。
また、リザーブドインスタンスと同様、全額前払い、一部前払い、前払いなしという選択を選ぶことで、さらに割引率が変化します。Savings Plansの場合は、インスタンスを変更しても割引が自動適用される等、リザーブドインスタンスよりも柔軟性があるため、AWSジャパンの説明会でも推奨されていたサービスです。
最適なストレージタイプを選ぼう
AWSジャパンの説明会において紹介されたストレージタイプの最適化。使用されていないリソースや不要なバックアップファイルが残り続けていないかは当然確認しておくべきことですが、説明会では用途に応じたサービスやストレージタイプを選択することで、コスト削減が出来るという発表がなされました。
Amazon FSx for Windows File Server
ファイルサーバサービスの「Amazon FSx for Windows File Server」には、なんと自動的に重複しているファイルを探して削除する機能があります。この、データ重複排除機能を使用することで、平均で50~60%ほどの容量を削減することが可能になり、データ容量に基づくストレージコストを削減できます。
Amazon S3
皆さんご存じの「Amazon S3」は保存容量に対して課金されるため、用途に応じてストレージタイプを変更することでコストを削減できます。ただ、自分で調べて最適なプランを模索するのはなかなかに骨が折れる作業です。そんな時に検討したいのが、有償ではありますが、「Intelligent Tiering」! Intelligent Tieringを利用すると、30日間のアクセス状況からストレージの使い方と要件とコストのバランスをチェックし、最適なストレージタイプに自動的に移動してくれるというすぐれもの。ストレージの中身について把握できなくなってきてしまったという方は、ご検討してみてもよいかもしれません。
まとめ
ここまでAWSのコスト管理方法について、AWSジャパンの説明会の内容を含めてご紹介して参りました。今後の為替相場がどう変わっていくかは誰にも分からないところではありますが、今一度立ち止まって現状把握をするのは有益かと思います。
どんどん拡充していくAWSのサービスを把握するのは至難の業ですが、弊社でも随時情報を発信して参りますので、当ニュースレターをぜひご活用ください。
ネットアシストへの依頼と作業工数
~よくあるご依頼編~
各種運用代行作業、依頼してからどれくらいかかるの?
平素は、弊社サービスをご利用いただき誠にありがとうございます。ネットアシストでは、24時間365日インフラエンジニアが常駐で、お客様のインフラ担当として日々運用をしています。もちろんご存知かとは思いますが、ネットアシストでは監視・障害時の対応だけでなく、SSLやバーチャルホスト設定、ログの調査など、様々な「運用代行作業」も承っております。今回は、比較的多くご依頼いただく作業について、何営業日くらいで完了報告が可能か工数をまとめてみました。ぜひ参考にしていただければと思います!
依頼の仕方は?
1.お客様ポータル 【オススメ!】
サービスデスク直通のお問合せフォームです。ご依頼者様情報の記入・対象サーバーのご選択・ご依頼/お問合せ内容記入の簡単ステップで送るだけ!画面のキャプチャや資料なども添付可能です。
2.メール
メールでもサービスデスク直通でご依頼いただけますが、対象サーバーやお問合せ内容をメール本文にご記入いただけますようお願いいたします。
(sd@netassist.ne.jp)
※対象サーバーが分からない場合、確認にお時間をいただくため作業完了もその分遅くなりますのでご注意ください。
よくあるご依頼と作業工数一覧
下記の一覧は、比較的多くご依頼いただく運用代行作業の一覧です。(Linux OSの場合)
対象OS:Amazon Linux,2 / CentOS6,7,8 / RedHat Enterprise Linux6,7,8 / Debian8,9,10 / Ubuntu17,18,19,20 / FreeBSD10,11,12
- ゴールド・シルバープランは別途有償での対応(都度御見積)です。
- ゴールドプラスプランでも、ご依頼ボリュームが大きい場合は別途費用をご相談させていただきます。
- 工数はあくまで目安です。ご依頼いただくタイミングにより目安工数以上のお日にちをいただく可能性がございます。
- 詳細はMSPアシストサービス資料よりご確認ください
(https://www.netassist.ne.jp/sales/mspassist.pdf)
一覧表:https://www.netassist.ne.jp/sales/goldplus.pdf
※下記一覧表は一部抜粋したものになります。
〈 ご依頼いただく際の注意事項 〉
- 作業のご依頼をいただいたお客様から、受付順に作業を実施いたします。
- 「優先対応」のご要望がございます場合は、別途費用の「特急料金」を追加でいただくことにより、対応可能なケースもございます。
- 上記記載の作業以外は、別途有償作業となります。
※月の対応回数に制限はございませんが、1台のサーバに10ドメイン以上設定される場合が、月額費用10ドメインごとに5,000円プラスとなります。
メール関連のご依頼について
メール関連のお問合せについては、不達調査やブラックリストの解除申請など、比較的完了報告まで日数をいただくご依頼が多いです。スムーズなご依頼方法は以前のニュースレターでお伝えさせていただきました。バックナンバーが弊社コーポレートサイトのブログにございますので、改めてご確認いただければと思います!
ブログ記事:https://www.netassist.ne.jp/techblog/23607/
「どうしても急ぎで対応して欲しい…」そんな時に
「至急対応してほしい」というご依頼に対しては、エンジニアのリソース状況や他の作業予定によって、お受けできないケースがございます。ただし、別途費用の「特急料金」を追加でいただくことにより対応可能なケースもございますので、「至急対応」が必要な場合は担当営業とご相談ください!
まとめ
今回は、よくあるご依頼とその作業工数をご紹介いたしました。
現在、多くのお客様から保守運用のご契約をいただいており急ぎでの対応が難しい場合もございますが、お客様のサーバーの管理者としてできる限り迅速な対応を心がけておりますので、引き続きよろしくお願いいたします!