【ネットアシストニュースレター | Vol.16 】
さくらのクラウド オートスケール機能リリース!
7月25日にさくらのクラウド オートスケールが正式リリースされました。ネットアシストではβ版がリリースされたタイミングでさくらインターネットさんに勉強会を開催いただきました。
前回の記事はこちら→https://www.netassist.ne.jp/sales/newsletter202207.pdf
今回は、オートスケール機能についての基本情報
サーバー構成のポイントなどをご紹介いたします!
オートスケールとは?
まずはオートスケール機能とは何かご説明いたします。
すでにご存じの方も多いと思いますが、オートスケールとはサーバーの負荷に応じて、自動的にサーバーのスペックや台数を増減させる機能です。予め閾値を設定することで、閾値に達した際にサーバーの台数やスペックを変更します。
オートスケールを利用することで、突発的なアクセス集中時にも自動でスケーリングしてくれるので安定したサーバー運用が可能です。また、オートスケールには2種類あります。
垂直スケール(スペック増減)
負荷状況に応じてサーバーのスペックを変更します。
サーバーへ負荷がかかればスペックアップ(スケールアップ)を行い、負荷が落ち着けばスペックダウン(スケールダウン)を行います。
水平スケール(台数増減)
負荷状況に応じてサーバーの台数を変更します。
サーバーへ負荷がかかっていれば台数を増やし(スケールアウト)、負荷が落ち着けば台数を減らします(スケールイン)。
オートスケールはどのようなコンテンツにおすすめ?
例えば下記のような場合、オートスケール機能を利用するメリットがあります。
普段はアクセスが少ないが、TV放映の際に一時的にアクセスが集中する
→突発的なアクセスにもサーバーのスペックアップやスケールアウトで対応可能です。
必要最低限の費用で運用したい
→アクセスが少ない時は自動的にサーバー台数やスペックを変更してくれるのでコストを抑えることが可能です。
障害発生などの運用リスクを軽減したい
→オートスケールでは起動するサーバーの最小台数を設定することが可能なため、サーバーがダウンした際にも別のサーバーがカバーできるなど、リスク軽減にも繋がります。
さくらのクラウド オートスケール機能の特徴
さくらのクラウドで利用可能になったオートスケール機能についてご紹介いたします。
監視サーバーの構築が不要
実は今までも「sacloud/autoscaler」を利用して、さくらのクラウド上でオートスケールを実装することはできました。その場合、ユーザーが監視用サーバーを用意する必要があり、コストや時間がかかっていました。今回リリースされたオートスケール機能では、監視用サーバーの用意が不要です。
トリガーはCPU TIME
サーバー負荷を検知するトリガーにはCPU TIMEを利用しています。
CPU TIMEを10分間隔で監視し、閾値を超えた場合はオートスケール機能が発動します。
垂直スケール(スペック増減)も可能
他社クラウドベンダーでもオートスケール機能はありますが、ほとんどが水平スケールのみの対応です。一方、さくらのクラウド オートスケールでは垂直スケールも対応しています。
無料で利用可能
オートスケール機能は無料で利用することが可能です。※オートスケールによって増えたサーバーの利用料は発生いたします。
さくらのクラウド オートスケールの特徴をご説明いたしました。次に、参考構成とそのポイントについてご説明します。
オートスケール参考構成とそのポイント
あるWEBシステムをさくらのクラウドのオートスケール機能を利用して構築した場合の参考構成をご紹介します。こちらの構成では、WEBサーバーと管理システム用のサーバーをオートスケールのターゲットとしています。
さくらのクラウドのオートスケール機能には、「スケールアップ」と
「スケールアウト」の2つがありますが、こちらは台数を増やす
「スケールアウト」を利用し、大量アクセスによるサーバー負荷にも耐えられるようなシステムの運用を可能とします。
ロードバランサ
オートスケール対応可能なロードバランサは・エンハンスドロードバランサ・ロードバランサ・GSLBの3つですが、こちらの構成では、Webサーバーはセッション維持機能を保有しているL7のLBである「エンハンスドロードバランサ」を利用し、管理システム用サーバーは「ロードバランサ」を利用します。
※オートスケール用のロードバランサをプライベートセグメントに配置する場合は、「ロードバランサ」を選択する必要がある
ステートレス
サーバー内に更新されるようなデータをもつ作りにしてしまうと、スケールアウトして増えたサーバーが削除された場合にサーバー内のデータも一緒に失われてしまうため、サーバーのステートレス化(サーバーが状態を持たないようにする)が必要です。そのため、さくらのクラウドの「NFSアプライアンス」を利用してWEBサーバーや管理システム用サーバー自体にデータを持たないよう実装します。
冗長化
WEBサーバーも管理システム用サーバーも、通常時でも2台配置し冗長化を行っています。「自動でサーバーが増えるのだから、1台でもいいのでは?」と思われる方もいらっしゃいますし、実際1台でオートスケールを運用しているケースもありますが、スケールアウトも瞬間的に台数が増えるわけではありません。サーバーが新しく作られる間は多少時間がかかるため、落としたくないシステムであればオートスケールといえども、最低2台以上で冗長化する必要があります。
<参考URL>
- さくらのクラウドドキュメント
<https://manual.sakura.ad.jp/cloud/autoscale/autoscale.html#id5> - さくらのナレッジ
<https://knowledge.sakura.ad.jp/31721/>
まとめ
今回はさくらのクラウド オートスケールについて基本情報やサーバー構成のポイントなどをご紹介しました。
今後、「手動でのスケーリング操作」やオートスケールの動作時に登録したメールアドレスへ連絡を行う「通知機能」などの機能が追加される可能性があるとのことです。ネットアシストでは、オートスケール機能を利用した構成のご提案が可能です。
少しでも気になった方はお気軽にご相談ください!
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