AWSとは?基本やメリットを初心者の方にもわかりやすく解説
AWSとは
AWS(Amazon Web Services)とは、Amazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスの総称です。
クラウドコンピューティングサービスとは、自前でサーバーや機器を設置しなくてもインターネット経由でサーバー・大容量ストレージ・高速データベース・ソフトウェアといったさまざまな機能を利用できるサービスのことです。
AWSはクラウドコンピューティングの中でも市場シェア約33%で世界1位のサービス(調査会社Canalys/2021年第4四半期)となっており、導入を検討されている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、AWSって何?という方から導入検討中の方に向けて、AWSの基本知識やメリット、実際の導入ステップまで解説していきます。
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従来の物理サーバー(オンプレミス)との違い
現在のようにクラウドコンピューティングサービスが普及する以前は、物理サーバー(オンプレミス)が主流でした。物理サーバーを利用するためには、自社施設内にサーバー機器を設置し、自社で情報システムの構築、管理・運用する必要があります。
物理サーバーのデメリットとしては、サーバー機器購入の必要があり初期費用が高いこと、機器を設置するスペースが必要なこと、ハード・ソフトともに自社で保守・運用しなければならずコストがかかることが挙げられます。それでも、物理サーバーが主流だった頃は、安全性やカスタマイズの自由度への懸念からクラウドコンピューティングへの移行に踏み切らない企業も少なくありませんでした。
しかし、現在ではクラウドコンピューティングの安全性や自由度の高さは広く認知されており、多くの企業に利用されるサービスとなっています。
AWSの代表的なサービス
AWSでは200種類以上のサービスを提供しており、その全てを紹介することはできませんが、ここでは代表的なサービスをご紹介いたします。
Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)
仮想サーバーを自由に構築できるサービスです。簡単な操作でサーバーが構築でき、サーバーの複数構築やメモリ、CPUなどのスペック変更もすぐに実行することができます。これまでの物理サーバーとは比べ物にならないほどスピーディーにサーバーの構築、変更ができる優れものです。
Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)
オンラインストレージサービスです。保存できる容量になんと制限がなく、データの耐久性は99.999999999%(イレブンナイン)であるためデータ消失の心配もほぼありません。データのバックアップやアーカイブはもちろんのこと、静的なファイルであればS3から直接配信することもできます。
Amazon RDS
データベースを利用できるサービスです。MySQLやPostgreSQLなどのオープンソースのデータベースからOracleなどの商用データベースまで、多種のデーターベースを構築することができます。サーバーの管理やライセンス管理、パッチの適用もAWSが行ってくれるため保守・運用コストを削減することが可能です。
AWSを利用するメリット、デメリット
メリット
- セキュリティレベルが高い
AWSは世界中の政府機関や金融機関でも採用されていることから分かるように、非常に高いセキュリティレベルを誇っています。また、そのアップデートもAWSでおこなってくれるため、常に最新のセキュリティで守られた環境を利用することができます。 - コストを削減できる
物理サーバーを購入、設置する必要がないため初期コストが圧倒的に抑えられます。運用に関しても、従量課金型であるため必要な時に必要なサービスを利用した分だけ支払うことができ、定額課金型サービスで発生しがちな無駄なコストを削減することができます。 - 拡張性が高い
サーバーの台数追加やメモリ、CPU、ストレージの変更が簡単な操作で行えます。一時的にグレードアップが必要で通常時は必要がないというような場合には、サーバーを停止し料金を抑えることができるのも魅力です。 - 人的リソースを有効に使える
ハードウェア・ソフトウェアの管理・運用をAWSが行なっているため、これまで管理・運用に割いていた人的リソースを有効に使うことができます。 - 定期的にアップデートが行われる
AWSでは年間 2,000 回を超えるバージョンアップや機能改修を行っており、常に最新のテクノロジーを利用することができます。
デメリット
- 利用料金の見積もりを立てるのは難しい
従量型課金であるため、利用料金が毎月変動します。事前に完全な利用料金の見積もりを立てることは難しいでしょう。 - 運用やセキュリティ管理はユーザー自身の対応も必要
AWSに限らず多くのクラウド事業者では、クラウド事業者とユーザーの責任範囲が明確に分類されています。一般に「責任共有モデル」と呼ばれる考え方で、ユーザーは自身の責任範囲を把握し、対策する必要があります。
具体的には、AWSの保守範囲はクラウドサーバーのハードウェアやホストOSなど本体のインフラ部分のみであり、ユーザーが構築するOSやミドルウェア、アプリケーションや構築したシステム、そこで利用されるデータについては、ユーザーの責任範囲となります。
そのため、ユーザーの責任範囲内でトラブルが発生した場合にはユーザーが自身で対応する必要があります。AWSは操作が簡単と言われているものの、実際の運用には相応のノウハウが必要なのです。
AWSを利用する際の注意点
プランの選択
AWSは従量課金型であるため料金プランをよく理解しないまま利用すると、思わぬ高額の利用料金が発生する可能性があります。そのような事態を防ぐためにも、AWSが提供する料金試算をチェックしておくこをおすすめします。
とはいえ、次々と新サービスのリリースやアップデートがされるAWSの中でそもそも自社の目的にあったプランを判断するのが難しいというのが現状かと思います。そのような場合には、ベンダーに相談することを検討してみてはいかがでしょうか。専門知識を持つ会社に相談することで、余計なサービスを省き、現在検討中のプランより費用を抑えたプランが見つかるかもしれません。
セキュリティ
AWSのメリットでお伝えした通り、AWSのセキュリティは高く評価されています。しかし注意するべきなのが、デメリットでも触れたAWSの責任範囲です。
AWSのセキュリティレベルが高くても、ユーザーの設定ミスによる対策もれが起こる可能性はあります。まずはセキュリティレベルの高い設定をすること、そして万一問題が起こった際に対処するには、ノウハウを持つ人材が必要です。自社内でそのような人材がいない、リソースが割けないという場合には、導入支援や保守・運用サービスを利用されることをおすすめします。
AWSの料金体系
AWSが従量課金型であることは前述の通りですが、その料金は主に「サーバー」「ストレージ」「データ転送」の3つの要素によって決まります。
サーバー
AWS上で構築する仮想サーバーの実稼働時間に応じて、時間単位で料金がかかります。
選択するサーバーのCPU、ストレージ、メモリ容量、ネットワークキャパシティによって時間単価が分類されており、料金が異なります。
休日や夜間など使わないサーバーがあれば、止めておくなどして料金を抑えることができます。
ストレージ
使用したストレージ容量に応じて、1GB単位で料金がかかります。
ローカルハードディスクとして使う場合や、オンラインストレージとして使う場合など、利用形態によって単価が異なります。
データ転送
AWS利用により発生するインターネットへのデータ転送量に応じて料金がかかります。
AWS内の同一データセンター内のデータ転送や、外からAWSに向かうデータ転送は課金の対象にはなりません。
データ転送料金の見積もりを立てるには、AWSからインターネットへ転送するデータ量をあらかじめ把握しておく必要があります。
ケース別 AWS料金の目安
料金体系の概要はお分かり頂けたでしょうか。
次に、よくあるケース別に料金の目安をご紹介致しますので、導入の参考にぜひご一読ください。
静的サイト専用プラン
プラン内容
静的サイトの運用環境が必要な方
構築費用 150,000円~/AWS費用 約350ドル〜/保守費用 20,000円〜
ご利用ケース
- ランディングページ
- キャンペーン告知サイト
- コーポレートサイト
構成内容
- CloudFront(CDN)
- S3(オリジンサーバー)
- Route53(DNS)
プラン詳細
転送量 | 月間総転送量:2TB まで。 ※超過分については別途月額費用が発生いたします。 |
SSL証明書 | ACMを利用 |
DNS | Route53を利用 |
冗長化構成プラン
プラン内容
高負荷にも備えた環境が必要な方
構築費用 600,000円~/AWS費用 約640ドル〜/保守費用 150,000円〜
ご利用ケース
- 基幹システム
- ゲームコンテンツ
- 動的なサイト
- アクセスの多いコンテンツ
- ダウンさせたくないコンテンツ
構成内容
- ELB
- EC2インスタンス:2台(負荷分散)
- EFS(データ同期用ファイルサーバー)
- RDS Aurora(MultiAZ)
- Route53(DNS)
- S3(バックアップ)
プラン詳細
OS | AmazonLinux2 |
構成 | LAMP環境 + メール |
スペック | EC2:m5.large(2vCPU・Mem:8GB) + SSD:100GB Aurora:db.t3.medium(2vCPU・Mem:4GB) + ディスク自動拡張 |
転送量 | 月間総転送量:3TBまで ※超過分については別途月額費用が発生いたします |
SSL証明書 | ACMを利用 |
DNS | Route53を利用 |
メール | 送信制限解除 |
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