CentOS 8 から RockyLinux 8 へ
こんにちは、takaraです。
RockyLinux も GA リリースされましたので、今回は CentOS 8 から RockyLinunx へのコンバートと、個人的に気を付けているところを紹介します。
CentOS 8 からのコンバート先はいくつかありますが、移行スクリプト等でどこまでまとめられているかは変わっても、基本は下記の流れとなります。
1) CentOS 8 の最新版までのアップデート
2) OS標準リポジトリの切換え
3) 導入パッケージの入替え
4) サーバ再起動
導入パッケージを入替えても、設定ファイル等はそのまま維持されるものが多いですが、配置されるファイルの所有者やパーミッション等に注意が必要です。
テストマシンを用いて、実際に確認します。
■テストマシン概要
[CentOS 8.4] Apache 2.4.37 (appstream) PHP 7.2.24 (appstream) MySQL 8.0.21 (appstream)
■観測ディレクトリ (一部 所有者 変更済)
[Apache] /var/www/html [PHP] /var/lib/php/session [MySQL] /var/lib/mysql
コンバート実行
RockyLinux のマイグレートドキュメントに従い、対応を進めます。まずは、CentOS 8 を最新状態にアップデートします。
# dnf update -y続いて、GitHubで公開されている RockyLinux へのコンバート用スクリプトを取得。
# curl -O https://raw.githubusercontent.com/rocky-linux/rocky-tools/main/migrate2rocky/migrate2rocky.sh次に、スクリプトに実行権を付与し、RockyLinux へのコンバート実行オプション “-r” を指定して実行。
# chmod +x migrate2rocky.shRockyLinuxのコンバート用スクリプトで、OS標準リポジトリの切換えから、導入パッケージ入替まで対応されます。
# ./migrate2rocky.sh -r
(テストマシンでは、スクリプトの実行から完了まで10分程かかりました)
パッケージの入替のタイミングで、Apache や php-fpm、MySQLは再起動されますが、Linuxカーネルの入替も発生しているため、OSリブートが案内されます。 また、この時点での確認で、ディレクトリの所有者がパッケージデフォルトに変わっていることも確認できます。 Apacheの実行ユーザを変えていたり、各パッケージ導入時に生成されるディレクトリの所有者を変えている場合、ここで全体的な見直しが必要になります。
その後、サーバを再起動し、RockyLinuxへのコンバートが完了となります。
# reboot
まとめ
RockyLinux だけではなく、AlmaLinux や CentOS Stream へも、提供されているスクリプトやパッケージ管理コマンド等を利用して、簡単にコンバートすることができますが、ディレクトリやファイルのパーミッションに加え、導入しているライセンス製品のサポート状況も、確認を取る必要があります。
CentOS 8 のサポートが終了する 2021年12月末 まで、半年を切っています。
リプレイスでも、コンバートでも、バックアップやリストア等、入念な準備が必要になる環境も多いので、早めのご検討を。
それではまた。